埼玉司法書士会

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■自宅の空き家化を防ぐには

私の家族は私(60代・独身)と母(80代・介護施設入所)の2人だけで、親交のある親戚はいません。今は健康ですが、将来的には認知症にかかるなど、自宅での生活が困難になってしまい、介護施設への入居が必要になるかもしれません。

自宅は私の所有で、施設へ入居すれば空き家になってしまいます。自宅を処分せずに私が亡くなった場合、自宅はどうなるのでしょうか。また、認知症になった場合、自宅の管理や売却・施設への入所などはどうしたらよいのでしょうか?将来に備えて何かできることはないでしょうか?

 

何らの対策をせずに、お母さま・相談者の順に亡くなられた場合、相談者の財産(自宅・預貯金等)を相続する人がいなくなると思われます。預貯金はともかく、自宅を引き継ぐ人がいないと、家が荒れ果てて、近隣へも大きな迷惑をかけ続けることになりかねません。遺言によって引き継ぎ先を決めておく必要があると思います。自宅そのものをもらってくれる人や、団体が見つからなそうであれば、自宅を売却して金銭とした上で、引き継がせるような遺言も可能です。

また、将来認知症になった場合、ご自身で施設の入所契約を行ったり、自宅を管理・売却したりすることはかなり難しくなります。この場合は後見制度を利用することになります。同じく何も対策をしなかった場合は、一定の親族などの申立権者の誰かが、家庭裁判所に対し後見人選任の申し立てをすることになります。

しかし、相談者のケースでは、現実に申し立てをする人が見つからない可能性があります。

こうした場合への備えとして、将来ご自身の財産を管理してもらう「後見人」を、お元気なうちに選んでおくことができます。これを「任意後見契約」といいます。任意後見契約は、相談者の代理人となる人(法人を含む)との契約ですので、本当に信頼できる人を選ぶことが何よりも肝心です。

詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(048・863・7861)へお尋ねください。

(司法書士・鈴木友治)

※埼玉新聞 平成30年8月2日から転載

 

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