埼玉司法書士会

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■住む人のない実家を売りたい

両親とも他界しており、子供は、私と兄と姉の3人です。父名義の実家が空き家となって5年がたちます。遠方のため管理ができていません。今は問題になっていませんが、このままの状態が続くと周囲に迷惑を掛けてしまうのではと心配しています。私と姉は、それぞれの自宅があり、実家に住む予定はありませんので、実家を売りたいと思っています。兄は両親と折り合いが悪く、数十年にわたり音信不通です。取りあえず私と姉2人の名義とした上で売ることはできますか?代金の3分の1は兄のために取っておく予定です。

お父様はご遺言を残されていないとの前提でお答えします。ご遺言がない以上、相談者、兄、姉の3名が相続人となります。
連絡が取れないからといって、相続人である兄に無断で残り2名の名義にしたり、売却したりすることはできません。
兄は音信不通とのことですが、国内に住所がある限り、戸籍を調査することで、住所を調べることができます。住所が分かったところで、手紙を送るなどして協力を依頼してはいかがでしょうか?それでも協力してくれない場合、住所地に住んでいない場合には、遺産分割調停、不在者財産管理人選任など、裁判所の手続きを利用しながら実家の相続や売却を進めていくことになります。
正直、これらの手続きには手間、時間、費用がかかると思われます。では、このまま放置しておくとどうなるでしょうか?時間がたてば、各相続人の高齢化や体調悪化により、話し合いができなくなるかもしれません。
さらに時間が経てば、3人の子自身にも相続が発生し、それぞれの子供(両親にとっての孫)などが問題解決の責任を引き継ぐことになります。その間にも実家はさらに荒れ果てて、周囲にさらなる迷惑や危険を発生させることになります。
面倒ではありますが、今から問題解決のために動き出すことが、現時点における最善手であることは間違いありません。
このケースのように、相続人全員の話し合いが困難となることが予想される場合には、遺言を作成して、あらかじめ実家を取得する方を決めておくと円滑な承継を行うことができますので、持ち主が元気なうちに準備しておくべきす。
詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(048・863・7861)へお尋ねください。
(司法書士 鈴木友治)
 
埼玉新聞 令和2年6月4日から転載
 
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