埼玉司法書士会

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会長声明

■埼玉県を襲った竜巻及び台風18号による突風被害等に関する会長声明(被災者生活再建支援法の早急な改正を)

掲載日:2013.09.26
9月2日越谷市及び松伏町を襲った竜巻、そして9月16日熊谷市、行田市及び滑川町を襲った台風第18号による突風の被害に遭われた埼玉県の皆様、そして隣接県や各地で同様の被害に遭われた皆様に対し、埼玉司法書士会を代表して心からお見舞いを申し上げます。 被災された皆様が、一日も早く平常の生活を取り戻すことができるよう祈念します。 埼玉県内のこれらの地域には災害救助法が適用されるとともに、越谷・熊谷両市には被災者生活再建支援法が適用されましたが、同法の適用対象とならない松伏町では、町独自の被災者支援策を決定したことが伝えられ、埼玉県でもこれらの適用対象とならなかった地域への独自の支援策を検討するとの報道がされています。 被災者生活再建支援法の制度の適用対象となる自然災害は、①災害救助法施行令第1条第1項第1号又は第2号に該当する被害が発生した市町村、②10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村、③100世帯以上の住宅全壊被害が発生した都道府県、④①又は②の市町村を含む都道府県で、5世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村(人口10万人未満に限る)、⑤①~③の区域に隣接し、5世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村(人口10万人未満に限る。)、⑥①若しくは②の市町村を含む都道府県又は③の都道府県が2以上ある場合に、5世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村(人口10万人未満に限る。)又は2世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村(人口5万人未満に限る。)において発生したものに限定されます。 今回の竜巻被害等による越谷市及び松伏町における住宅被害並びに熊谷市、行田市及び滑川町における住宅被害は、それぞれ合計10世帯以上発生したにもかかわらず、松伏町、行田市及び滑川町は、②の10世帯以上の住宅全壊被害の発生した市町村、④の①又は②の市町村を含む都道府県で5世帯以上の住宅全壊被害の発生した市町村又は⑤の②の区域に隣接し、5世帯以上又は2世帯以上の住宅全壊被害の発生した市町村といういずれの要件にも該当しないことから、被災者生活再建支援法が適用されないことになりました。今回のような複数の市町村の区域にまたがる局地的な自然災害が起きた場合であって、全壊住宅の総数が例え10世帯を超えていても、それが1市町村の区域に10世帯以上又は隣接する市町村で5世帯以上(人口10万人未満)若しくは2世帯以上(人口5万人未満)という要件を満たさないときは、現行の被災者再建支援法では支援金が受けることができません。同一規模の災害が起きて同じ被害を受けた者でもその災害をうけた区域が一市町村の範囲内にあるか、複数市町村に跨るかによって支援金が受けられる者と受けられない者の差が生じるという現行法に不備があることが明らかになりました。 当会は、今回のように竜巻や突風によって帯状的又は局地的に被害が集中した場合には、市町村単位に被害世帯数を数えるのではなくて、これらの局地的な竜巻又は突風の被害を生じた帯状又は面状の地域を単位として数え、当該被災した地域における被害世帯数の合計が10世帯以上となったときは、被害世帯の家屋が所在していた全市町村を適用対象とする等の法改正を政府が早急に行い、被災者の支援の平等を確保すべきとの意見を主張します。 なお、埼玉司法書士会では、越谷、熊谷、所沢及び浦和の各相談センターでのこれまでの法律相談に加えて今回の竜巻や突風被害に関する相談にも対応するとともに、今後、御要望に応じて被害を受けた地域での無料相談会開催も計画しております。司法書士の業務を通して被災された皆様へのできるだけの支援を行って行きたいと考えております。 竜巻等の被害地域においては、リフォーム業者や保険会社を名乗り住宅修繕に便乗する悪徳商法等による二次被害の発生が懸念されますので、不審な場合には、見積依頼や契約をする前に市町村の消費者相談窓口、国民生活センター、当会の相談センター等に御相談をするようお勧めします。

埼玉司法書士会 会長 知久公子

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