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■女性の再婚禁止期間短縮が短縮されました

女性の再婚禁止期間が短縮されたと聞きました。どういうことか詳しく教えて下さい。

民法では、女性は離婚後6カ月を経過した後でないと再婚できないと定めていました(民法733条1項)。この期間を待婚期間とか再婚禁止期間などと呼びます。なぜ、男性は離婚してすぐに再婚できるのに、女性は離婚してすぐに再婚できないのでしょうか?その理由は、女性が再婚後間もなく生んだ子の父親が誰かを巡って争いになることを防ぐためです。民法の別の規定では、妻が結婚中に妊娠した子は、夫の子と推定し、さらに、結婚した日から200日以降、または離婚後300日以内に生まれた子は、その結婚中に妊娠したものと推定しています。このように2段階の推定によって、女性が生んだ子の父親が誰かを推定しています(民法772条1項、2項)。しかし、再婚禁止期間が父親が誰かを推定するための規定であれば、6カ月(180日)は必要以上に長く、離婚後100日経過してから再婚すれば、離婚した前夫と再婚後の夫で、父親の推定は重なりません。

 昨年12月には、民法の定めた再婚禁止期間は法の下の平等を定めた憲法に違反すると訴えた訴訟で、最高裁判所は100日を超える再婚禁止期間は違憲との判決を下しました。この判決を受ける形で民法が改正され、再婚禁止間は6カ月から100日に変更されました。さらに、離婚したときに妊娠していないことの医師の証明書があれば、離婚後すぐにでも再婚できることになりました(民法733条2項)。この改正民法は今年の6月1日から施行されています。

詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください。

(司法書士 上松隆行)

※埼玉新聞平成28年7月7日から転載

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